NoMaDoS

一級建築士事務所

07 SEP 2020

震災“験学”施設と 始まりのゲート

【背景】
2011年3月11日の東日本大震災の地震・津波・原発事故により大部分が破損した福島県浪江町立請戸小学校。海岸から約300mの至近距離にあり、津波の最大到達点は校舎の2階床上と推測されているが、当時在校していた生徒たちは西側の大平山へ逃げ、全員生き延びることができました。
しかし、その後の長期間にわたる避難指示により放置され、一部危険な箇所の撤去や清掃が行われたが、大部分が震災当時のままの状況で残されています。
この施設は原発事故により震災からそのままの形で残さざるをえなかった請戸小学校の今の姿をできるだけ変えずに残し伝えることを目的として造られています。その施設の入り口となる新築の管理棟と、既存校舎内外の見学ルートの整備計画を実施しました。

【こだわりポイント】

  • 日常から心をリセットするためのミニマルな構え

管理棟のエントランス部分は、メインの展示施設である校舎への「門」のような役割である。そのため色や形、質感は極力削ぎ落とし、日常から一歩距離を置いて心をリセットできるような構えとしています。

  • 一筆書きでバリアフリーの明快な見学ルート

見学ルートのスタートからゴールまでは一筆書きとなっており、震災から現在までの歩みを時系列で追体験できるようにしています。

  • 当時の生徒たちが避難した大平山へ正対する管理棟

生徒たちが避難した大平山へ管理棟の軸線が向いている設計。

【物件概要】
主 用 途 :震災遺構展示施設
所 在 地 :福島県双葉郡浪江町大字請戸
建築面積:3206.74 ㎡  
延床面積:4179.81 ㎡

●管理棟(増築)
竣  工:2021年春予定
階  数:平屋建
構  造:鉄骨造
建築面積:198.00 ㎡  
延床面積:151.86 ㎡

●既存校舎棟(用途変更・改修)
竣  工:1998年 ※2005年 増築
階  数:2階建
構  造:鉄筋コンクリート造
建築面積:3008.74 ㎡  
延床面積:3849.25 ㎡

【プロジェクトメンバー】

意匠設計:NoMaDoS / 乙坂譜美、千葉光(※業務受注者株式会社松下設計のもとでの共同設計プロジェクト)

見学体験計画:NoMaDoS / 田中滉大

構造設計:エーピーエヌ設計株式会社

機械設備設計:菱和設備事務所

電気設備設計:株式会社大嶋設計