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一級建築士事務所

15 OCT 2021

今日も木漏れ日がそよいで様 トータルブランディング&サービスサイト制作

2021/10

【背景】

山梨県富士吉田市を拠点に、地域に寄り添ったゼネコンとして活躍されている芙蓉建設様の新規事業として、ログハウスブランドのトータルプロデュースを担当いたしました。 リサーチドリブンでの戦略・ブランド設計を行い、強く尖った世界観を作るために徹底的なクリエイティブ管理を行いました。 結果として、クライアントが自走的にブランドを扱い、販売できる状態とマインド醸成につながるプロセスとアウトプットを構築することができました。


今日も木漏れ日がそよいで

社内だけでは立ちげられない

弊社サービスサイトを見ていただき、ご相談をいただいたところから今回のプロジェクトは開始いたしました。数年前から、クライアント社内でログハウスブランドを作りたいという話は出ていたものの、なかなか推進しきれないという悩みを持たれていました。

細かなクライアントヒアリングを通じて、以下の課題が見つかりました。

  • コロナによって市場や生活者のマインドが変化してしまい、状況にあった事業構築が難しい

  • リサーチやマーケティング思考による事業企画に慣れていない

  • 戦略、ブランド、外部訴求施策など総合的に考え、整理できる人材が社内におらず、知見も不足している

この課題に対して、当初ご相談にあった「サービスのブランディング」ではなく、「ブランディングも含めた事業戦略全体の設計」というアプローチが最適ではないかとご提案させていただきました。

【こだわりポイント】

・情報×世界観×学習で生み出す、自走するブランド

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上記の課題を踏まえて、まずは市場の把握と狙いどころの設定を行うために、コロナによって変化しうる生活様式や、生活者の価値観の変化についてリサーチを行うことから対応をスタートしました。

その結果、都心での生活に閉塞感を頂いたり、改めて自然豊かな環境での生活ニーズが向上していることがわかり、かつ高所得者に限らずリモートワークを活用した東京近郊での自然暮らしを希望するミドルクラス層が増えていることが見えてきました。

とりわけ、結婚を期に生活スタイルの変化が予定されていたり、子育てが始まり自分だけじゃなく子供を含めた生活環境を検討したい30代〜40代の女性にその傾向が見られるのではないかという仮説を発見しました。
その仮説をもとに、ペルソナを構築し、ペルソナ像に近い生活者を選定してミニマムなヒアリングを実施し、仮説が一定以上検証できたため、この視点を軸に戦略を立てることとなりました。

また、競合リサーチを行う中で、女性に特化するというブランドポジションが空白だったことも判明しました。結果として、女性・子どもに寄り添った自然暮らしを提供するブランドというコアバリューを構築することができました。コアバリューを軸に、SWOT分析やSTP設定、ビジネスモデルキャンパスなど戦略面の細かい設定を行いました。

方向性として、絞り込んだターゲットであるからこそ、ニッチな市場でNO.1になることでブランドとしての認知をとることを戦略の根幹として位置付け、それに沿った世界観の設計を行いました。
ニッチだからこそ、強い世界観を作る必要があるため、ネーミングから写真撮影、撮影時の空間・インテリアコーディネート、サイトデザインなど全てのクリエイティブを管理・制作し、統一感のある世界観構築を目指しました。

このような取り組みのプロセスを、特定の関係者ではなくすべての関係者に共有することで、クライアントにとっての学習機会として機能させ、戦略の考え方やブランドの取り扱い方などを学んでいただくことができました。

・これからを作る武器と責任感の実装

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プロジェクト全体を通して半年ほど並走させていただき、結果として予想していなかったWEBメディアでの取り上げなど、ポジティブな反応を生み出すことができました。

また、クライアント側から自発的に「マルシェを絡ませて自然な暮らしを色々な切り口で体験してもらう企画はどうか?」「こういうコミュニケーションや打ち出し方であればお客様に届くのではないか?」など、プロジェクトを通じた学びによって前向きにアイデアや意見を生み出す姿勢や行動が見られるようになりました。

戦略と世界観をしっかりと作り込んだことで、関係者全てが腹落ちした状態で事業を走らせられることができるようになり、自走できる強い組織とブランドを構築することができました。