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一級建築士事務所

15 MAR 2021

株式会社鳶高橋様 リブランディング設計&コーポレートサイトリニューアル

2021/03

【背景】

100年近くの歴史を持つ工務店さんのリブランディング設計およびコーポレートサイトのリデザインを行いました。新しい事業に取り組んでいきたいという想いと、100年の歴史という強みがうまく繋がっていない状態であったため、事業戦略からサポートさせていただきました。 結果として、ブランドコンセプトと事業内容がしっかり繋がった状態でのリブランディングが実現しました。

株式会社鳶高橋

長い歴史×新しいチャレンジ

まずお話を聞いてみるということで、代表の高橋様とディスカッションさせていただくと、非常にチャレンジングなマインドをお持ちであるが故に、鳶髙橋様の顧客および社会に対する価値整理やそれをどのような事業・ブランドメッセージとして表現していくのかまだ決まりきっていない状態がちぐはぐでもったいない印象を持ちました。 結果として、鳶髙橋様として文脈の繋がりがそこまで強くない「建設テック系の事業や見せ方を検討していきたい」というお話が出てきてしまう状況に陥っていました。

そこで、サイトデザインというご依頼に加え、根本に立ち返り鳶髙橋様の価値の整理および事業・メッセージングとの整合性を設計するという対応をご提案いたしました。



【こだわりポイント】

・今やっていることから強みを見出す

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サイトデザインという最終アウトプットに至る前に、鳶髙橋様の根本的なマインドや価値を整理し、言語化することを優先しました。

そこで、以下のアプローチを実施いたしました。

  • 100年という歴史を軸に、鳶髙橋様のアイデンティティを考える

  • ブランドとしての見せ方だけでなく、事業自体を再設計してみる

まず、鳶髙橋様の特徴のうち最も大きな部分を占める「100年間の歴史を持つ鳶集団である」という部分を深掘りし、歴史的に鳶職が担ってきた役割やそこにおけるマインドセット、鳶髙橋さんが受け継ぎ変化させてきたものはなんなのかをリサーチしました。

その上で、「ブランドDNA」というブランドの定義書を作り込んでいくことで、鳶髙橋ブランドが一覧的に設計・説明できる状態を目指しました。

また、上記の対応と並行して、そこで見えてきたブランドとしての価値やマインドセットを表現するものとして、一つの事業を立ち上げられないかという提案をさせていただきました。

歴史を持っている鳶会社であり、東京を舞台に長く商いを行われていたこともあり、時代映画の舞台美術のお仕事などが入り始めていたという状況だったため、それを起点に今回の新たなブランド方向性を表現しうる新事業を作ることで、イメージ戦略だけでなく、仕事を通じても鳶髙橋様のアイデンティティや価値が伝わっていくパーフェクトな状態を作れるのではないかと考えました。

・東京文創

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これらのアプローチを行うことで、以下のような結果を導き出すことができました。

  • 鳶高橋の歴史、マインド、これからの価値を表現する言葉として「東京文創」というブランドコンセプトを見出せた

  • 「東京文創」を軸に、歴史と現代をつなぐ文化創意事業をスタートさせることになった

鳶高橋様のアイデンティティを、これまでの歴史や鳶職の役割という視点で探っていく中で、「東京において、常に文化を再発見し、表現するための取り組みを行った」という部分が見えてきました。

単に歴史的な存在として鳶職を行っているのではなく、常に歴史・文化を現代に昇華するために思考し、チャレンジしていく気持ちを持たれているという特徴が見えたことで、その姿勢を最大限表現するために、「文創(伝統的な文化を現代の価値とつなげ、リデザインすること)」というキーワードを使い、東京を舞台に歴史・文化を現代につなぎ新たな価値をデザインするというアイデンティティを表す「東京文創」をブランドコンセプトに採用しました。

また、上記のブランドコンセプトをデザインやメッセージングで表現するだけでなく、鳶高橋様の日々の営みの中で表現するために、新たな事業を作れないかと提案させていただきました。 歴史的・文化的な価値や対象を、現代の価値観としてリデザインする事業として、「文化創意事業」の立ち上げを提案し、建築や空間だけでなくプロダクトやイベントなど、歴史をテーマに現代的なデザインにつなげたいクライアントに対し、鳶高橋様しかできない事業として走らせていくこととなりました。

結果として、鳶高橋様からも好評いただき、リブランディング後は一気に新たな動きを進められ、東京文創を体現いただくことができました。 また、対外的な見せ方だけでなく、一貫した価値観が定義されたことで、社内のコミュニケーションやエンゲージメントの活性化につながっているとご報告いただくまでの結果を生み出せました。


・ロゴデザイン・コーポレートサイト制作

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ご提案の際には「なぜこのような造形なのか?」を資料におまとめした上でご提案させていただきました。

ロゴ・サイトともに今後長く使っていただくものですので、お客様に納得していただけるまで修正を重ね作成しました。